昨日、実家のわんこが死にました。
3年前、亡くなった祖父のわすれがたみとして我が家にやってきた犬でした。
フィラリアを抱えていたけど、ざっくり数えて15年くらいの生涯。
名前はリー。
おとなしくてびびりやで心優しく賢かった彼のことを、今日は記録したいと思います。
祖父母がまだ健在だった頃。
動物好きの祖父は、1匹のマルチーズ(オス)を飼いました。
彼は「チョコ」と名づけられました。
マルチーズといえば毛色は白。
初めて命名を聞いた時には「…ホワイトチョコということか?」
と思いましたが、理由は「ちょこちょこ動き回るから」という
お年寄りならではのネーミングセンス…。
(同様のながれで「ムク」とか「チビ」とかの名が存在するのね)
チョコは祖父の愛情を一身に受けてすくすくと育ちました。
散歩に行けば見知らぬ人に
「この子は本当にマルチーズなんですか!?」
と驚かれるほど、巨体に。
そして賢かった。
賢く育ったチョコは、ある夜、脱走を図りました。
数ヵ月後。
近所のお宅の赤毛雑種の美人犬が産み落とした子犬の中に、
なぜか白くてくりくりした毛並みの子がぁ!!
おいこら~!!!
祖父は迷わずその白い子犬を引き取りました…。
それが、リーです。
(余談ですが、ずっと後で、母犬の飼い主宅が会社の先輩んちだったと判明。。「うちのこがすみませんでした~!」と、ものすげー謝りました。先輩は笑っていた。世間は狭い…)
それからは祖父母の家に行くたびに、2匹の白い犬がお出迎えしてくれるようになりました。
小さな頃のリーは、それはそれはかわいくて、
マルチーズの毛並みと、雑種独特の面長な顔。
タンタンの相方スノーウィみたいな感じでした。
でもある時を境に、祖父母以外の人間をとても怖がるように。
たぶん、庭先にいるときに通行人か子供に何かされたんだろうなーと家族で話したものです。
そうは言ってもわんこ。ご多分にもれず散歩好き。
祖父が手綱を握り連れてく毎日でした。
そんなある日、事件が起こりました。
巨体マルチーズと、立派な体格に育った雑種、
この二匹の手綱が祖父の足をすくってしまい、
思いっきり転ばしてしまったのです。
むろん、骨折。
それから祖父は脳梗塞で半身まひになるなど、だんだんインドアライフを余儀なくされるのですが、二匹はいつも祖父の前に狛犬のようにひかえていました。
父にいわく「すけさんかくさんみたい」。うまい(笑)。あれ?そーするとじいちゃんは黄門さま?
そのうち祖母が亡くなり、一人と二匹の生活が始まりました。
祖父は体が不自由なのに内臓も頭も人並み以上にしゃんとしてたから、ヘルパーさんたちも大変でした。
「おれはいいから犬の飯ばつくってやってくれ」
と、できない相談をしたり(それでも融通利かせてくれたヘルパーさん感謝です…)、うっかり犬を脱走させた日にゃ「もう来るな!!!」と怒ったり(うちの家族もやらかした)。
溺愛。
その二文字がピッタリくるほど一人と二匹は寄り添いあって生きていました。
だんだん祖父の入退院が多くなり、家には二匹だけが暮らす日も多くなっていきました。
その頃は、父がまめに通ってえさと散歩の面倒を見ていました。
祖父はといえば、病院のベッドに伏しながら、我はさておき「犬たちはどぎゃんしとるどか…」と涙を浮かべて心配していたそうです。
そして祖父、他界。
1週間後、後を追うように父犬のチョコも死にました。
後に残されたのはリー一匹。
我が家が引き取るまで、誰もいなくなった家で
しばらく一人暮らししてました。
うちに来てからは毎日散歩の穏やかな日々。
みーたともうまくやってました。
リーは、ここ3日くらいご飯べてなかったようで
「うーむ、もしかするとそろそろ危ないのかも」
と父は感じていたそうです。
臨終が確認されたのは昨日の朝9時前。
出勤前の母が気付き、家族にメールで知らせてくれました。
毎日面倒を見ていた父が出勤前に頭をなでてやった7時半ごろは
しっぽをふりふりしていたそうです。
いま思えば、それが最後の挨拶だったんでしょうか。
庭の土の上で静かに息を引き取っていたそうです。
ちょっとの間、涙が止まりませんでした。
それほどかわいがってたわけじゃないのに。
でも、祖父にまつわるものが一つずつ消えてく寂しさが
大きな理由だったのかも知れません。
リーは今、父犬のチョコと同じお墓で眠っているそうです。
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